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2012/02/14
  • ゲームクリエイター科

小学生からのゲームに関する質問に答えます(2)

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さて、昨日小学生からの質問の続きです。昨日の分はコチラ

4.ゲームソフトの1本の制作費用は平均どの位ですか

これは良くある質問ですが、CESAという団体で創っているゲーム白書に出ています
2009年のデータでいうと、

PS3 250,200,000円
Xbox360 207,400,000円
Wii 116,100,000円
PSP 59,200,000円

といったところです。これはパッケージ販売されている新作ですが、ダウンロード販売の旧作や規模の小さい物は、桁が一つ小さくなると捉えて下さい。この開発費は年々、高くなっています。演出が派手になったりリアルになると、それだけ作り込む為の時間と人が必要です。開発費の多くは、人件費です。

5.ゲームクリエイターになるにはどのような事をしなければならないのですか。

細かい話は、実際のゲーム開発企業の求人を見るのが早いです。クリエイター職は前出の職種毎で募集されています。たとえば、バンダイナムコゲームスのQ&A。
http://www.bandainamcogames.co.jp/job/grad/faq/
これ以外の企業も、多く在りますから調べてみて下さい。
求められるのは、基礎的な能力と応用力、それを円滑にすすめるコミュニケーション能力、というところです。
小学生や中学生のみなさんに言いたいことは、
今、学校で勉強していることは全て、無駄になりません!ということです。

ゲームは現実世界の何かを切り出して異世界を創り出しています。全くの異世界では、誰にも理解できないし面白くありません。例えば気持ち悪い「見たこともない」モンスター、というキャラクターを創るとします。それは、見たことが無い生物だとしても、「気持ち悪さ」を表現するには、現実世界にある「気持ち悪さ」が必要です。舞台を動かすには算数や数学、物理が必要です。現実世界の法則に合わせるから、プレイヤーは理解できるし面白い、それがあって現実にないものを取り込むから面白いのです。

6.ゲームソフトの制作期間はどの位ですか

これは決まり切ったことは在りませんが、長くて2~3年、短いと数週間でしょう。例えば、100人で1年間の期間で創られるゲームがあるとすれば、200人で半年の期間で創ることもあります。例えば発売時期がクリスマスで間に合わせたいから縮める、ということをします。長すぎると、流行が変わっているので途中で変更を繰り返すこともありますし、他社が同じ様なのを出したり、売り上げが見込めない場合は制作途中でボツになることも多々あります。今、皆さんがプレイしているゲームは2年前のアイデアと思って下さい。現場には2年後のゲームが在ります。

期間の短い物は、最近のネットワークからダウンロードして遊べるものが多いです。取り敢えず動く部分を創って、後からプレイヤーの反応を見て足していきます。そうすると、制作期間はゲームを提供している期間と同等になります。

7.ゲームの不具合を調べたりするのはどの担当ですか

製品の製作過程で、創ってる途中はプログラマやプランナー、テスト工程では主に調べるのはデバッガという人になります。テストする工程をデバッグと呼び、それをする人がデバッガです。デバッガ専門の人が居る場合もありますし、誰かが兼任していたり、デバッグ専門の会社に委託することもあります。

8.その会社によってゲームクリエイターになれる難しさは変わるのですか。

企業によって求められる能力に差がありますし、入りたい人が多ければ競争率が高まります。また、その時の業績や作ってるものによっても変わりますから、同じ会社でも変わることがあります。よくある話では、新しいハードが出ると人が欲しくなります。新規のハードはソフトの数を揃える必要があるのと、新しい技術が求められるので人が足りなくなるからです。今だとモバイル系がそれにあたりますね。

9.ゲームクリエイターはどのような仕事をしているのですか。

創る仕事な訳ですが、工程を追うと以下になります。

  1. 企画を立てる:企画書を作り承認
  2. 設定(ゲームの中の世界や人物の決まり事)、仕様(画面の大きさや操作方法)を作る
  3. 上記を元にプログラマやグラフィック、サウンドが部品を作る
  4. 合わせてデバッグ

制作では、職種それぞれで仕事が違います。誰もが好き勝手に作っている訳ではありません。その世界に相応しいキャラクタの絵や文字、動き方や戦闘が必要です。チームで作るのが大事です。

10.ゲームクリエイターの仕事で一番、大変なことは何ですか。

他の仕事と比べると、「答えが無い」モノを創るところが大きく違います。例えば自動車なら、ハンドルを切れば曲がる、アクセルを踏むとスピードが出る、という基本があり、それが成功していれば「自動車」と呼べるものが出来上がります。それに対してゲームでは、何でも出来るし、何が面白いのかを考えると、はっきりした答えが在りません。まさに「クリエイター」(創造者)なのです。

11.ゲームクリエイターの仕事で一番、嬉しかったことは何ですか。

これは人によって変わることもありますが、共通して言えることは、大変なことに書いたことの裏返しです。誰も知らないものを創り出す事が面白い、そういう人が向いています。また、商売として捉えると、自分の作ったゲームを店頭で買う人を見ると嬉しくなる、という事も聞きます。


以上です。答えは当方の用意したモノも在りますが、データとして他所から持ってきたモノもあります。頂いた質問票はFAXでしたが、これは地元企業の事などを考えてのことでしょう。こうした「ネットで調べる」行為は、これからの人達にはとても要求されるスキルになります。小学校でも是非、やって欲しいと思います。当然、ネットにはウソも在りますし、珠玉混合ですが、そこを見極める能力が必要です。当然、そうした能力はゲームクリエイターにも求められますよ!頑張って下さい。

専門学校デジタルアーツ仙台
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